2025.06.18.Wed
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シリコン豊胸後の感染症リスクと予防対策【形成外科専門医が解説】

シリコン豊胸後の感染症リスクと予防対策【形成外科専門医が解説】

理想のバストラインを目指してシリコンバッグによる豊胸手術を検討される方が増えています。効果的な方法である一方で、手術には「感染症」などのリスクもあります。

このページでは、渋谷の森クリニック院長・森克哉が、豊胸手術後にまれに起こる感染症について、その症状や予防法、万が一の対処まで、専門医の立場からわかりやすくご紹介します。

「手術は安全?」「感染が心配…」そんな不安を少しでも軽くし、安心して手術を考えていただけるよう、正しい情報をお届けします。

1. シリコン豊胸と感染症について知っておきたいこと

1-1. 手術における感染症リスクとは

どのような外科手術にも共通して言えることですが、医学的に「感染のリスク」は常に一定の割合で存在します。これは美容外科の分野でも同じで、すべての外科手術における感染症の発生率は一般的に約3%とされています。この数字は医療現場で広く知られている統計であり、手術をご検討いただく上で念のため頭に入れておいていただきたいポイントです。

ただし、ここでひとつご安心いただきたいのは、この数値には高齢の方や基礎疾患をお持ちの方など、感染リスクが比較的高い患者様も含まれているということです。

シリコンバッグによるシリコン豊胸手術は、比較的若く健康な方が多く受けられる手術であるため、実際の感染症リスクはもっと低いとされています。

また、感染予防のための感染対策や衛生管理、手術を担当する医師の技術力によっても、そのリスクは大きく左右されます。

当院の取り組みについて

渋谷の森クリニックでは、感染症予防を最優先に考えた環境づくりと徹底した感染対策を行っております。その結果、過去4年間で行った1,000件以上のシリコン豊胸手術において、感染症の発生は一例もございません

これは私たちが日々取り組んでいる、確かな感染対策と経験に基づいた手術技術の賜物であると自負しております。

ご不安を抱えていらっしゃる方も、ご自身の体としっかり向き合いながら、前向きにご検討いただければ幸いです。

1-2. シリコン豊胸における感染のリスク要因

シリコンバッグを使った豊胸手術は、体に異物を入れるため、感染症リスクに特に注意が必要です。主なポイントは以下の通りです。

  • 異物の挿入:シリコンバッグは体にとって異物なので、細菌が付いた場合の対処方法には専門的な知識が必要になります。
  • ポケットの形成:バッグを入れるスペース(ポケット)が適切に作られ、清潔に保たれていることが重要です。ここが不十分だと感染の原因になりやすいです。
  • 手術時間:手術が長引くほど体への負担が増え、細菌感染のリスクも高まります。適切的確な手術手技が必要になります。
  • 術後ケア:ご自宅での傷口のケアやクリニックでの経過観察をしっかり行うことが、感染予防には欠かせません。

ただ、最近のシリコンバッグは生体適合性が高い安全な素材が使われており、医師の技術とクリニックの感染対策が整っていれば、感染リスクはかなり低く抑えられます。

2. 感染症の症状と早期発見の重要性

2-1. 典型的な感染症状のチェックポイント

シリコン豊胸手術後に感染が起こると、体はいくつかのサインで異常を知らせます。早めに気づくことが重症化を防ぐためにとても大切です。

感染が疑われる主な症状は以下の通りです:

  • 高熱が続く場合
    術後4~5日頃に38度以上の発熱が続く場合は、すぐにご連絡をお願い致します。
  • 片側だけの赤みが見られる場合
    左右どちらか一方の胸に赤みが現れることが多く、感染の可能性があります。
  • 強い痛みや熱感がある場合
    触ると熱く感じたり、安静にしていてもズキズキとした痛みを感じることがあります。
  • 腫れが悪化している場合
    通常の術後の腫れとは異なり、一方の胸だけが大きく腫れている場合はご注意ください。
  • 傷口から膿のような分泌物が出る場合
    傷口から異常な分泌物が出た際は、すぐに医師にご相談ください。

これらの症状がひとつでも見られましたら、どうかご自身で判断なさらず、できるだけ早く手術を受けられたクリニックにご連絡いただくことをおすすめします。特に「片側だけに症状が現れている」場合は、感染の可能性が高いため重要なサインです。

なお、術後1~2日目に感じる軽い発熱や、両側に見られる痛み・腫れは、術後の正常な経過であることが多いため、あまり神経質になる必要はありません。

2-2. 自己判断の危険性について

術後に何か症状を感じたとき、「手術の経過だろう」「様子を見れば治るかも」「次の診察まで我慢しよう」と自己判断するのは、とても危険です。感染症は、いかに早く気づき対応できるかが治療のカギとなります。

感染のサインに気づいてから処置まで時間がかかると、

  • 治療期間が長引く
  • 回復の負担が大きくなる
  • 最終的な仕上がりに影響が出る

といったリスクが高まります。

シリコンバッグやインプラントなど体内に入る人工物は、ごくまれに「異物感染」を起こします。軽い症状でも薬だけで完全に治すのは難しく、細菌が人工物の周囲にたまりやすく抗生剤が届きにくいため、感染が残ることがあります。

そのため感染が疑われる場合は、早めにバッグを取り出す処置(抜去)が必要になります。薬で症状を抑えられても根本的な解決にならず、感染が再発したり周囲に悪影響を及ぼす可能性があるため早めの対応が大切です。

赤みや腫れ、痛み、熱感など気になる症状があれば、自己判断せずなるべく早くご連絡ください。早めに対応することで、症状の悪化を防ぎ、体への負担も最小限に抑えることができます。

2-3. 通常の術後経過と感染症状の見分け方

術後は体にさまざまな変化が起こりますが、多くは正常な回復過程の一部です。以下のような症状は、よくある術後の反応なのであまり心配はいりません。

  • 術後1~2日頃の微熱(37.5度以下)
  • 両胸に均等に現れる軽い腫れや痛み
  • 日ごとに少しずつおさまっていく症状
  • 傷口周辺の薄い赤みや少量の透明な体液

一方で、感染が疑われる症状については2-1で詳しくご案内していますので、そちらをご参照ください。

症状の見分けがつかないときや、「これは大丈夫かな?」と迷ったときは、どうぞ遠慮なくクリニックにご連絡ください。

また、状況によっては、お写真を送っていただくことで医師が遠隔で状態を確認し、適切なアドバイスをお伝えすることも可能です。

3. 感染症が起きた場合の治療と回復プロセス

3-1. シリコン豊胸後の感染症治療法

万が一シリコン豊胸手術後に感染が起こった場合、治療は一般的な傷の感染とは異なり、人工物(シリコンバッグ)が体内にあると抗生物質だけで完治することが難しいため、以下のステップで対応します。

  1. 感染源となるシリコンバッグの早期抜去
    感染の原因となる人工物を早めに取り除くことが最優先です。
  2. 抜去後の治療と回復期間
    感染が完全に治まるまで、経過を観察しながら治療を続けます。
  3. 感染の完治確認後の再手術
    十分に回復し体調が整ってから、新しいシリコンバッグの再挿入を行います。

早期発見・早期対応が何より大切です。処置が遅れると、症状が長引き、再手術までの期間が延びることや美容面への影響が出る可能性があります。

3-2. 再手術までの期間と回復見込み

万が一、感染症が発生してしまった場合でも、適切な処置を行うことで再び手術を受けられる状態に回復することは十分可能です。ただし、再手術までに必要な期間は、感染の進行度や対応のタイミングによって大きく異なります。

  • 感染を早期発見し、すぐに抜去した場合
    おおよそ4〜6か月後に再手術が可能となることが多いです(個人差あり)。
  • 抜去が数日遅れた場合
    6か月以降の再手術が必要になる可能性が高くなります。
  • 感染が広範囲に及んだ場合
    完全回復までに8か月以上かかることもあり、まれに組織のダメージで再手術が難しくなることもあります。

感染症の早期発見・早期治療には、患者様ご自身の注意深い観察と、異変を感じた際の速やかな連絡が不可欠です。特に術後1週間程度は、普段より体調の変化に敏感になり、少しでも気になる症状があればすぐにクリニックに連絡することをお勧めします。

4. 渋谷の森クリニックの感染対策と保証制度

4-1. 徹底した感染予防への取り組み

[画像: クリニックの手術室・衛生管理の様子]

渋谷の森クリニックでは、シリコン豊胸手術を受けられるすべての患者様に安心して手術に臨んでいただけるよう、感染リスクを限りなく低く抑えるための対策を徹底しています。

感染症への対策は専門的な知識が必要となるため、シリコン豊胸手術を形成外科専門医かつ乳房再建医へ任せることは大きな安心につながると思います。

当院での主な感染予防対策

  • 手術器具の徹底した滅菌処理
    高度な滅菌機器を用いて、すべての器具を厳格に管理し、安全な状態で手術に使用できるよう準備しています。
  • 全症例を院長が執刀
    豊胸手術の専門医であり、年間300件以上の症例を手がける院長・森克哉医師が、すべての手術を責任を持って担当いたします。
    また、医療としての乳房再建にも長年携わってきた経験を活かし、美しさと安全性の両立を何より大切にしています。
  • 徹底した無菌操作と手術時間の最適化
    手術中は、一貫して徹底した無菌操作を行い、感染予防を強化しています。
    また、必要な工程を丁寧に行いながらも、無駄を省いた効率的な進行によって手術時間を短縮。長時間にわたる手術による感染リスクの上昇を抑えています。
    時間管理と衛生管理の両面から、リスクを最小限に抑える体制を整えています。
  • 1日あたりの手術件数を制限
    一人ひとりにしっかりと向き合うため、1日の手術は2件までに限定。術前・術後ともに十分な時間を確保しています。
  • 適切な抗生物質の使用
    手術前後に予防的に抗生物質を使用し、術後の感染予防を強化しています。
  • 術後の細やかな経過観察
    術後の診察では、傷口の状態や腫れ、発赤の有無などを丁寧に確認し、早期の変化にも迅速に対応できる体制を整えています。

こうした総合的な取り組みによって、過去3年間、当院でのシリコン豊胸手術において感染症の報告は一例もありません

感染を「予防する」ことは、最も確実で患者様にとって安心できる医療のかたちだと、私たちは考えています。

4-2. 万が一の場合の安心保証制度

当院では、万が一シリコン豊胸手術後に感染症が発生してしまった場合でも、患者様が安心して適切な治療を受けられるよう、術後の感染に関する費用はすべて当院が負担いたします

保証内容:

  • シリコンバッグ抜去費用:全額当院負担
  • 抗生物質など治療薬費用:全額当院負担
  • 感染治療のための診察費用:全額当院負担
  • 再挿入手術費用(※再手術が可能な場合):全額当院負担

「術後に追加費用がかかるから病院に行けない」「この程度の症状なら大丈夫だろう」といった心配から適切な対応が遅れることがないよう、金銭的不安を解消する体制を整えています。

渋谷の森クリニックのお約束:

「いつでもいつまででも真摯に対応する」というモットーのもと、術後の不安や疑問に対して、いつでもお気軽にご相談いただける環境を整えています。些細なことでも、どうぞ安心してご連絡ください。

4-3. 術後の適切なケアとサポート体制

感染予防には、術後の適切なケアと早期の異常発見が欠かせません。渋谷の森クリニックでは、患者様が安心して回復できるよう、以下のような充実したアフターケア体制を整えています。

アフターケアの内容:

  • 術翌日の診察
    手術翌日にご来院いただき、傷口の状態を確認し、痛みや腫れなどの急性期症状もチェックします。
  • 丁寧な抜糸と経過観察
    術後約1週間で抜糸を行い、傷の治り具合に加え、皮膚の状態もしっかり確認します。
  • 定期的なフォローアップ
    1か月、2か月、4か月、6か月と、段階的に経過を診察し、長期的にサポートします。
  • 24時間対応の相談窓口
    術後の体調変化や不安があった場合、いつでもご連絡いただける体制を整えています。
友だち追加
  • 術後の生活指導
    シャワーや入浴、運動、睡眠など、術後の過ごし方について具体的にアドバイスします。

特に術後の初期は、体調や傷の変化に敏感になっていただくことが大切です。

「こんなことで相談していいのかな…」と思うようなことでも、どうぞ遠慮なくご連絡ください。早めのご相談が、順調な回復や万が一の早期対応につながります。

5. 術後の感染予防と日常生活の注意点

5-1. 術後の自己ケアと注意事項

ご自身で行う術後ケアも、感染予防にとってとても重要です。以下のポイントにご注意ください:

  • 清潔の保持:医師の指示に従い、適切なタイミングでシャワーを浴び、特に傷口の清潔を保ちましょう
  • 薬の服用:抗生物質などは、処方通りにきちんと飲み切りましょう
  • 過度な運動を避ける:術後1か月ほどは激しい運動や胸への負担は控えてください

渋谷の森クリニックでは、これらの注意点について術後に丁寧にご説明し、安心して回復いただけるようサポートしています。

5-2. 術後の入浴・シャワーについて

シリコン豊胸術後のシャワーや入浴については、以下を目安にしてください:

  • シャワー:術後翌日から可能です。傷口をしっかり洗って清潔を保ちましょう。
  • 入浴(湯船につかる):通常は抜糸後から再開できます。
  • サウナ・温泉:術後2週間ほどは控えてください。
  • プール・海水浴:術後2週間ほどは控えてください。

入浴のタイミングは体の回復状況によって異なります。最終的には担当医の判断に従ってください。

渋谷の森クリニックでは、患者様一人ひとりに合わせたアドバイスを行っていますので、ご不明な点があればいつでもお気軽にご相談ください。

6. まとめ:安心・安全なシリコン豊胸のために

シリコン豊胸手術における感染症のリスクを完全になくすことは難しいですが、正しい知識やしっかりとした予防策、そして信頼できるクリニックを選ぶことで、リスクをぐっと減らすことができます。

感染予防のポイントをまとめると:

  • 信頼できるクリニック選び:感染対策をしっかり行っている医療機関を選びましょう。主治医が形成外科専門医であることも一つの指標になるかもしれません
  • 術後の自己ケア:清潔を保ち、無理のない生活を心がけてください
  • 早めの気づきと対応:違和感を感じたらすぐにクリニックに相談を
  • 定期的な検診:術後の検診は忘れずに受けましょう

渋谷の森クリニックでは、形成外科専門医・乳房再建医である院長がすべての手術を担当し、術前のカウンセリングから術後のフォローアップまで一貫した体制で患者様を支えています。

すでに豊胸手術を受けて不安がある方やトラブルが起きている方も、ぜひ一度ご相談ください。経験豊富な専門医が適切なアドバイスと対応をいたします。

Instagramでは沢山の豊胸術の症例もご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

Instagram症例写真はこちら

監修医師

森 克哉
森 克哉

渋谷の森クリニック(神宮前)院長 理事長
東京慈恵会医科大学形成外科学講座 非常勤講師
PMUアピアランスケア渋谷 代表
医学博士 森克哉

-主な活動
日本形成外科学会
日本乳房オンコプラスティックサージェリー学会
日本美容外科学会(JSAPS)所属
医学博士
形成外科専門医 

-理念
【保険診療のような美容医療を】 【いつでも、いつまででも真摯に対応する】
形成外科歴25年、乳房再建も含め延べ2000症例以上に及ぶ安全で満足度の高い豊胸手術を行っている形成外科専門医であり現役の乳房再建医である。
その仕上がりの美しさ・自然さは口コミで広がり、全国各地だけでなく海外からも豊胸手術希望の患者が後を絶たない。
多くの支持を集めるその背景には、長年にわたる乳房再建の技術を生かした唯一無二の豊胸技術を持つ森院長の存在がある。
「豊胸のスペシャリスト」として美容の手術だけでなく、渋谷の森クリニックは乳房再建認定施設として乳癌患者への乳房再建手術も実施している。
またその実績や技術力だけでなく、親子で通えるようなアットホームなクリニックを目指し、「いつでも、いつまででも真摯に対応する」という理念と、優しく丁寧なアフターフォローにも定評がある。
最後に、当記事の発信元である渋谷の森クリニック(神宮前)は、森克哉医師が運営する分院を持たない日本唯一のクリニックであり(分院展開なし)、豊胸手術はすべて森医師自身が執刀する。  

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