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「アクアフィリングを既に注入してしまったけれど、体に悪影響はないの?」
「除去した方がいいのかな…でも、その後また豊胸手術はできるの?」
このようなお悩みをお持ちの患者様に向けて、アクアフィリング豊胸のリスクや問題点、そして安全な除去方法と除去後の選択肢について、形成外科専門医の立場から詳しく解説します。
アクアフィリング豊胸とは、「AQUAfilling®」と呼ばれるゲル状の生体充填剤を乳房に注入することで、バストのボリュームを形成する非外科的な豊胸手法です。
(※同様の製剤に、アクアリフト、アクティブジェル、ロスデラインがあります)
このアクアフィリングは、98%の生理食塩水と2%のポリアクリルアミド系化合物から構成されており、生理食塩水が主成分であることから、かつては以下のようなメリットが強調されていました:
しかしながら、世界各国の医療機関や学会からはアクアフィリングの安全性に対する深刻な懸念が表明されています:
アクアフィリングは98%の生理食塩水と2%のポリアクリルアミド系化合物から構成される人工的なゲルですが、宣伝と異なり、完全に体内で吸収されることはなく、注入後も長期間にわたって体内に残存します。
この”異物”が長期間体内にとどまることで、さまざまな合併症の温床となる可能性があるため、慎重な判断が求められます。
従来、「被膜やしこりができにくい」とされていたアクアフィリングですが、実際には注入後に硬結や結節を形成する症例が多数報告されています。
しこりは乳房の外観を損ねるだけでなく、乳腺腫瘍との鑑別が困難になるという医療上の問題も生じます。乳がん検診の際にも、アクアフィリングによる硬結が腫瘍と誤認される可能性があり、適切な診断の妨げになることがあります。
アクアフィリングは注入部位にとどまらず、体内を移動する特性があります。
アクアフィリングは体内にとって異物であり、感染症のリスクを常に伴います。
感染が生じた場合、乳房の発赤・腫脹・疼痛といった局所症状が出現し、手術による除去と抗菌薬投与が必要となるケースもあります。
特に授乳や外傷、他の手術などをきっかけに、アクアフィリング注入から数年経過した後でも感染が突然発生したという報告もあります。一度感染すると完治が難しく、長期的な管理が求められます。
アクアフィリングが乳管を閉塞させることで、将来的に授乳が困難になる可能性があります。
妊娠や授乳を希望される方には特に大きな懸念材料です。
アクアフィリングに含まれるアクリルアミド誘導体には、発がん性を指摘する研究報告もあります。
実験動物を対象とした研究では、アクリルアミドの長期暴露により腫瘍の発生リスクが上昇したとする報告も存在します。
ただし、現時点ではアクアフィリングそのものの発がん性についての決定的なエビデンスは不足していますが、安全性が証明されているわけではなく、慎重な対応が求められる素材です。
これら6つのリスクからも明らかなように、
アクアフィリング豊胸は医療的リスクが決して無視できない施術であると言えます。
すでにアクアフィリングを注入されている患者様にとって、次に重要なのは安全かつ適切な除去です。以下では、アクアフィリングの除去方法について詳しく解説します。
アクアフィリングは一度体内に注入されると自然吸収されることはなく、医療的処置による除去が必要です。
数センチの切開を行い、直視下(目で直接見ながら)でアクアフィリングを丁寧に掻き出す外科的手技が基本となります。感染した組織の除去や洗浄も並行して行われます。
当院では、形成外科専門医・乳房再建医としての豊富な経験と知識を活かし、以下のような特徴ある除去術を行っています:
術前超音波検査、MRI検査
詳細な広がり評価により、アクアフィリングの分布を正確に把握
直視下での確実な除去
目で見て確認しながら丁寧に除去することで、取り残しを最小限に
徹底した洗浄
残存物を最小限にするための入念な洗浄処理
組織の修復と再建
除去と同時に行うことで、見た目にも配慮した仕上がり
定期的な経過観察
術後も安心のフォロー体制で長期的にサポート
「アクアフィリングを除去したら、もう豊胸手術は受けられないの?」という不安をお持ちの方も多いと思います。
結論から申し上げますと、
アクアフィリング除去後であっても、
安全性の高い方法による豊胸術は可能です。
特に当院では、除去手術と同時にシリコンバッグ豊胸を行うことで、患者様の負担を最小限に抑えた治療を提供しています。
むしろ、同一部位に対する複数回の手術は、感染リスクを上昇させる要因となります。そのため、シリコンバッグによる再豊胸をご希望の場合には、アクアフィリング除去と同時に実施することが、感染リスクの軽減という観点からも合理的な選択肢となります。
当院では最新の高品質シリコンインプラント「モティバ エルゴノミクス2」を使用しており、自然な見た目と触り心地を実現しています。メーカーによる3年間の追跡データでは、被膜拘縮の発生率は1%未満という安全性も確認されています。
一方で、アクアフィリング除去後の脂肪注入豊胸に関しては、残存している充填剤や局所の炎症性変化との相互作用により、再注入部位での炎症・感染・硬結のリスクが高まる可能性があるため、慎重な適応判断が求められます。
特に、アクアフィリング除去直後の組織は炎症状態にあり、新たに注入した脂肪の生着率に影響する可能性があります。そのため、当院ではこの方法を積極的には推奨しておりません。
当院で行うアクアフィリング除去とシリコンバッグ挿入の同時手術の一般的な流れは以下の通りです:
現在の状態を詳細に診察し、最適な治療計画を立てます
アクアフィリングの広がりを詳細に評価します(必要があればMRI検査も行う)
翌日から定期的な経過観察を行います
当院には、アクアフィリングに関する様々なご質問が寄せられます。ここでは特に多いご質問にお答えします。
A. アクアフィリングの広がり具合や量によって異なりますが、通常1〜2時間程度です。同時にシリコンバッグを挿入する場合は、さらに1時間程度追加されます。
A. 手術中は麻酔をしますので痛みはありません。術後は軽度〜中等度の痛みや腫れがありますが、多くの患者様は「思ったより楽だった」とおっしゃいます。痛み止めのお薬もご用意していますので、ご安心ください。
A. 個人差はありますが、通常の場合:
同時にシリコンバッグを挿入した場合は、若干長めになることがあります。
A. アクアフィリングは組織内に広範囲に拡散していることが多く、100%完全な除去は技術的に困難なことがあります。しかし、当院では豊富な経験と高度な技術により、可能な限り多くのアクアフィリングを除去し、残存物を最小限に抑える手術を行っています。
A. アクアフィリング除去のみの場合、基本的にはアクアフィリング注入前の状態に近づきますが、組織の伸展や変化により完全に元通りにならないこともあります。同時にシリコンバッグを挿入する場合は、カウンセリング時にご希望のサイズや形を相談し、自然で美しい仕上がりを目指します。
当院では、豊富な経験と高度な技術を持つ形成外科専門医・乳房再建医が、アクアフィリング除去と再豊胸手術を安全かつ確実に行っています。
おかげさまで、当院には口コミを通じて全国、そして海外からもシリコン豊胸を希望される患者様が多数ご来院いただいております。
乳房再建医かつ形成外科専門医である院長・森克哉は、年間300件以上の豊富な手術実績に基づき、独自の理論と技術で、患者様一人ひとりに最適なシリコンバッグの種類やサイズを丁寧に提案し、理想の仕上がりを実現します。
「他院修正の最後の砦」
アクアフィリングなどの注入剤によるトラブルの修正相談も多く、全国から多くの患者様にご来院いただいております。
現在も大学病院で乳房再建外来を担当しており、シリコン豊胸後の乳がん検診をはじめとする手術後のアフターフォロー体制も充実していることは、当院の大きな特徴です。
手術は1日2件まで
患者様一人ひとりと真摯に向き合うため、手術は1日2件までとしております。術前のご相談から術後の経過観察まで、丁寧に対応させていただきます。
段階的な術後診察
術後診察は翌日の消毒、1週間後の抜糸に加え、1か月、2か月、4か月、6か月と段階的に行い、しっかりと経過を見守ります。
「いつでも、いつまででも真摯に対応する」モットー
術後、気になることがございましたら、時期を問わず無料でご相談いただけます。末永く安心して当院にお任せいただけるよう、万全の体制を整えております。
アクアフィリング除去と同時にシリコンバッグ豊胸を受けられた患者様から、喜びの声をいただいております。
他院でアクアフィリング豊胸手術を受けましたが、徐々に胸が硬くなり、左右差も気になって不安を感じていました。森先生にご相談したところ、私の状態を丁寧に説明してくださり、アクアフィリングの除去とシリコンバッグ挿入を同時に行うことになりました。
手術後の仕上がりは想像以上に自然で美しく、本当に感謝しています。アフターケアも充実しているので、安心して過ごせています。
アクアフィリング豊胸後にトラブルがあり、複数のクリニックを受診しましたが、「難しい」と言われ続けて困っていました。そんな中、渋谷の森クリニックの森先生に相談したところ、「しっかり対応できます」と力強くおっしゃってくださり、本当に救われた気持ちになりました。
アクアフィリングの除去と同時にシリコン豊胸手術を受けましたが、痛みも思ったより少なく、仕上がりにも大変満足しています。もっと早く森先生にご相談すればよかったと思っています。
アクアフィリング豊胸は一時的な効果や手軽さが注目される一方で、吸収されにくい性質や体内移動、感染・発がん性リスクなど、無視できない合併症のリスクをはらんでいます。
すでに施術を受けた方、今後除去を検討されている方は、こうした危険性を十分に理解し、専門的な知識と経験を有する医療機関での相談・対応が重要です。
当院では、アクアフィリングに関するトラブルで悩む多くの患者様に対応してきた経験があります。どんな小さな不安でも、まずはご相談ください。カウンセリングでは、現在の状態を正確に診断し、最適な治療法をご提案いたします。
「いつでも、いつまででも真摯に対応する」
という理念のもと、患者様一人ひとりに寄り添った医療を提供してまいります。
アクアフィリングによるトラブルでお困りの方、除去を検討されている方は、一人で悩まずにぜひ一度ご相談ください。まずは無料カウンセリングで、現在の状況を詳しくお聞かせください。きっと解決への道筋が見えてくるはずです。
Instagramでは豊胸術の症例を多数ご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
渋谷の森クリニック(神宮前)院長 理事長
東京慈恵会医科大学形成外科学講座 非常勤講師
PMUアピアランスケア渋谷 代表
医学博士 森克哉
-主な活動
日本形成外科学会
日本乳房オンコプラスティックサージェリー学会
日本美容外科学会(JSAPS)所属
医学博士
形成外科専門医
-理念
【保険診療のような美容医療を】 【いつでも、いつまででも真摯に対応する】
形成外科歴25年、乳房再建も含め延べ2000症例以上に及ぶ安全で満足度の高い豊胸手術を行っている形成外科専門医であり現役の乳房再建医である。
その仕上がりの美しさ・自然さは口コミで広がり、全国各地だけでなく海外からも豊胸手術希望の患者が後を絶たない。
多くの支持を集めるその背景には、長年にわたる乳房再建の技術を生かした唯一無二の豊胸技術を持つ森院長の存在がある。
「豊胸のスペシャリスト」として美容の手術だけでなく、渋谷の森クリニックは乳房再建認定施設として乳癌患者への乳房再建手術も実施している。
またその実績や技術力だけでなく、親子で通えるようなアットホームなクリニックを目指し、「いつでも、いつまででも真摯に対応する」という理念と、優しく丁寧なアフターフォローにも定評がある。
最後に、当記事の発信元である渋谷の森クリニック(神宮前)は、森克哉医師が運営する分院を持たない日本唯一のクリニックであり(分院展開なし)、豊胸手術はすべて森医師自身が執刀する。
【医師からのコメント】
除去したアクアフィリングは通常、無色透明のゲル状物質のはずですが、実際には黄色く濁ったクリーム色に変化していることが多く、体内で何らかの異常な反応が起こっていると考えられます。
細菌培養では明確な菌が検出されないケースでも、局所に炎症反応が存在していることは疑いようがありません。この変性は、異物反応や慢性的な軽度炎症、あるいは無菌性の化学的炎症によるものと考えられます。
適切な除去処置を受けることで、感染・硬結・変形などのリスクを大幅に低減することが可能です。