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TSAPS 2025 台湾国際学会参加記 ~アクアフィリング除去の最新治療戦略を世界へ発信~

2025年9月6日から7日にかけて、台湾・台中で開催されたTSAPS(Taiwan Society of Aesthetic Plastic Surgery)2025に参加してきました。

この国際学会は、日本美容外科学会(JSAPS)をはじめアジア各国から多くの演題が集まり、大変盛況でした。日本からは3名の先生がJSAPSを代表して発表され、私もその一人として「アクアフィリング除去と同時に行うインプラント豊胸の治療戦略」について発表する機会をいただきました。

今回は、学会での学術的な成果だけでなく、初めて訪れた台湾の印象や国際交流の様子も含めて、この貴重な体験をご報告したいと思います。

TSAPS 2025国際学会の会場風景

初めての台湾訪問 ― 現代と伝統が共存する美しい街

今回が初めての台湾訪問でした。台北に降り立った第一印象は「とても綺麗」。気温・湿度は高く、アジアらしい気候でありながら、大通りは整然として清潔感がありました。

一方で路地裏に足を踏み入れると、小さな露店が軒を連ね、昔ながらのアジアの風景が広がっていました。現代的な都市開発と伝統的な生活文化が共存する、まさに今のアジアを象徴するような街でした。

台湾の交通システムと台中への移動

バスや電車では飲食禁止など、日本とは少し異なるルールに戸惑いつつも、街歩きそのものを楽しむことができました。台北からは高速鉄道HSR(まさに新幹線!)を利用して台中へ。観光地というよりも、落ち着いた”ローカルな地方都市”という印象を受けました。

街を行き交う人々の顔立ちは日本人とよく似ており、西洋人観光客も少なかったため、ふと「海外にいる」ことを忘れてしまう瞬間もありました。親近感を覚えながらも、確実に異なる文化の中にいる、その不思議な感覚が新鮮でした。

台湾の街並み

TSAPS 2025の学術プログラム ― 世界基準のプレゼンテーション

学会は中国語のセッションと英語のセッションに分かれており、私は主に台湾・韓国・日本の先生方による英語発表を中心に聴講しました。

国際学会のプレゼンテーション技術に学ぶ

登壇される先生方は、第二外国語である英語を非常に流暢に話し、さらにプレゼンテーション技術にも優れていました。マイクを手に舞台の前方まで歩み出て、自信を持って研究成果や術式を語る姿は、まるでTED TALKのよう。会場全体を惹きつける力に圧倒されました。

同じ内容でも「英語で聞くと何倍もすごいことをしているように感じる」のは私だけでしょうか。あらためて、国際学会では発表内容と同じくらいプレゼンテーション力が重要だと実感しました。

日本からの代表発表者たち

日本からは、私を含めて3名の先生がJSAPSを代表して発表しました。先山史先生、井上真衣先生の発表も素晴らしく、見やすいスライドと丁寧な発表から、準備に費やされた膨大な時間と努力が伝わってきました。

美容外科医が目先の利益だけでなく、学問としての美容外科を発展させようと真摯に取り組む姿勢に、大きな共感と尊敬の念を抱きました。

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学会での発表の様子

私の発表 ― アクアフィリング除去と同時再建術の治療戦略

今回、私が発表した演題は「Simultaneous Breast Augmentation Strategy in Aquafilling Removal」(アクアフィリング除去と同時に行うインプラント豊胸の治療戦略)でした。

アクアフィリング除去の治療戦略

近年世界的に問題となっているアクアフィリング豊胸のトラブルに対して、私が辿り着いた治療戦略をまとめました。

発表内容の4つの重要ポイント

  • 除去のタイミング ― 早期介入の重要性と適応の見極め
  • 同時再建の安全性 ― 感染リスクを最小限に抑える手技の工夫
  • 審美的配慮 ― 除去後の形態変化を予測した再建計画
  • 術後管理 ― 長期的な経過観察の重要性

形成外科専門医・乳房再建医として多くの豊胸手術を手掛けてきた経験から導き出した治療戦略です。

学会での反響と評価

台湾に入国してからかなりナーバスな時間を過ごしていましたが、発表を終えてからも多くの先生から質問を受け、活発なディスカッションができたことは大きな手応えとなりました。

特に印象的だったのは、ある先生からいただいた「誰でも行っていい手術だとは思いませんが、技術ある先生が、正しく適応を見極めて行うのであれば、ベストな治療法だと思います」というコメントです。まさに私が伝えたかった本質を理解していただけたと感じました。

学会発表のスライド

Gala Dinnerと国際交流 ― 言語を超えたコミュニケーション

学会初日の夜にはGala Partyが開かれ、台湾や韓国の先生方と親しく交流することができました。

積極的なコミュニケーションの重要性

シンポジウムで講演される先生方は、技術や経歴はもちろん、パーティーでも積極的に他国の医師とコミュニケーションをとり、国際的なつながりを広げていました。

どうしても日本人は英語に苦手意識があるせいか、パーティーのようなオープンな場では消極的になりがちです。しかし、席に座ったままではなく、自ら積極的に声をかける姿勢こそ大切だと感じました。

一歩踏み出せば暖かく迎え入れていただける。大切なのは流暢に喋ることよりも、コミュニケーションをとりたいという姿勢です。

台湾の医師との温かい交流

また、台湾のDr. Wuにはパーティー後にご実家へ招いていただき、心温まるおもてなしを受けました。桁違いの豪邸に驚きつつも、医師同士の交流が国境を越えて深まった、忘れられない貴重な経験となりました。

Gala Dinnerの様子

台湾の夜市体験 ― 伝統文化と現代都市の融合

学会の締めくくりには、台湾で有名な夜市を訪れました。

人々の熱気、屋台の香ばしい匂い、昭和のお祭りを思わせる懐かしい雰囲気…。そして見上げれば、そこには台北101という超高層ビル。

古き良き文化と現代的な都市風景が共存する、そのギャップこそ今の台湾の魅力なのかもしれません。とてもエネルギッシュで、人の温かさに溢れた国でした。

台湾の夜市

国際学会から得た学びと今後の展望

人との出会いが最大の収穫

今回の最大の収穫は、やはり「人との出会い」でした。

文化や生活習慣は異なっても、美容外科・形成外科に携わる者同士、共通する悩みやこだわりを語り合えるのは非常に刺激的であり、視野を大きく広げてくれる経験でした。

また、海外に出ることで「日本とは何か」「日本人らしさとは何か」を見直す良いきっかけにもなりました。国際的な視点を持つことで、自分たちの強みと改善すべき点がより明確に見えてきます。

世界基準の治療を提供する決意

この国際学会で得た学びとつながりを、今後の臨床・研究にしっかり活かしていきたいと思います。

特にアクアフィリング除去においては、日本の第一人者として世界基準の治療を提供し続けるとともに、国際的な視野を持って美容外科の発展に貢献してまいります。

アクアフィリング除去でお悩みの方へ

当院では、今回の学会で発表した「アクアフィリング除去と同時再建術」をはじめ、他院修正を含む難易度の高い症例にも対応しております。

渋谷の森クリニックの強み

  • 形成外科専門医・乳房再建医として25年以上の豊胸手術経験
  • 国際学会で発表する世界基準の治療技術
  • アクアフィリング除去の豊富な症例実績
  • 永続的なアフターケア体制
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症例実績1000件以上の当院が、あなたのご要望に沿った施術プランを提案いたします。

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Instagramでは豊胸術の症例を多数ご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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監修医師

森 克哉
森 克哉

渋谷の森クリニック(神宮前)院長 理事長
東京慈恵会医科大学形成外科学講座 非常勤講師
PMUアピアランスケア渋谷 代表
医学博士 森克哉

-主な活動
日本形成外科学会
日本乳房オンコプラスティックサージェリー学会
日本美容外科学会(JSAPS)所属
医学博士
形成外科専門医 

-理念
【保険診療のような美容医療を】 【いつでも、いつまででも真摯に対応する】
形成外科歴25年、乳房再建も含め延べ2000症例以上に及ぶ安全で満足度の高い豊胸手術を行っている形成外科専門医であり現役の乳房再建医である。
その仕上がりの美しさ・自然さは口コミで広がり、全国各地だけでなく海外からも豊胸手術希望の患者が後を絶たない。
多くの支持を集めるその背景には、長年にわたる乳房再建の技術を生かした唯一無二の豊胸技術を持つ森院長の存在がある。
「豊胸のスペシャリスト」として美容の手術だけでなく、渋谷の森クリニックは乳房再建認定施設として乳癌患者への乳房再建手術も実施している。
またその実績や技術力だけでなく、親子で通えるようなアットホームなクリニックを目指し、「いつでも、いつまででも真摯に対応する」という理念と、優しく丁寧なアフターフォローにも定評がある。
最後に、当記事の発信元である渋谷の森クリニック(神宮前)は、森克哉医師が運営する分院を持たない日本唯一のクリニックであり(分院展開なし)、豊胸手術はすべて森医師自身が執刀する。