2024.12.13.Fri
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アクアフィリングはすぐに除去するべき?その危険性は?

アクアフィリングとは?

 

注入による豊胸術の一つとして過去に注目を浴びたアクアフィリング。聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

 

アクアフィリングは水のように柔らかく、しかも、ヒアルロン酸よりも持続期間が長く3~5年は効果が持続するというふれこみで、さらに簡単な手技で豊胸術をすることができるとヒアルロン酸注入の上位注入剤の位置付けで提供されてきました。

 

しかし、アクアフィリングについて現在は多くのクリニックが取り扱いを中止しており、そもそもアメリカではアクアフィリングによる豊胸術は一度も認可されたことはなく、日本でも形成外科学会や美容外科学会が共同で声明を出すなど、推奨されない治療となっています。
またアクアフィリングの主成分は「アクアミド」と呼ばれるジェルで、これは水とポリアミドという成分を混ぜたものですが、次第にその危険性が指摘されるようになりました。長期的な使用に関するデータが不十分なので、体内でどのように変化するのか、身体にどんな影響を与えるかについては、まだまだ分からないことも多いです。

 

 

現在分かってきているアクアフィリングの危険性とは?

 

体内での移動: アクアフィリングは注入された後、時間が経過すると、そのジェルが乳腺内に留まらず、体内の他の部位に移動することがあります。これは、ジェルが被膜に覆われず、柔らかい状態で分布するためです。この移動により元の豊胸効果が失われ、かつ、意図しない場所、例えばお腹、陰部、背中など様々な場所へ移動してしまうことがあります。

 

母乳と一緒に分泌される恐れ:動画のようにこのような膿様の液体が乳腺に染み込んでいると思うと恐ろしくなります。

 

 

脂肪や組織の溶解: アクアフィリングは脂肪組織や周囲筋組織を溶かしたり、炎症を引き起こすことがあります。無菌性膿瘍とも言われ急速に腫れ上がることもあります。

 

完全な除去の難しさ: アクアフィリングは発売当初、生理食塩水で洗い流せば簡単に取り除けるとされていましたが、経験上難しいことがわかりました。手術によって除去を行うしか方法はありませんが、アクアフィリングは組織に入り込み染み込むので、100%取り除くことは不可能です。

 

感染・アレルギーの可能性:アクアフィリングは感染症やアレルギー反応を引き起こす可能性があり、施術後に発症することがあります。

 

しこりの可能性:アクアフィリング周囲に被膜が作成され、それによりしこりを生じることがあります。外科的に切除することになります。

 

アクアフィリングは除去するべき?

 

アクアフィリングは“すぐに除去”をお勧めします。「今は特に問題ない」「痛くも痒くもないから」と言ってそのままにしておくことはお勧めしません。

 

そもそもヒアルロン酸も含めて、注入による豊胸術はFDA(アメリカの日本の厚生労働省のような機関)で一度も認められたことがありません。

 

また、アクアフィリングに対して2019年に2つの美容外科学会を含む4つの団体
・一般社団法人 日本形成外科学会
・一般社団法人 日本美容外科学会(JSAPS)
・一般社団法人 日本美容外科学会(JSAS)
・公益社団法人 日本美容医療協会
が共同で声明を発表するほど危険性を訴え使用禁止を明言しています。
参考: 非吸収性充填剤注入による豊胸術に関する共同声明

 

それでは、アクアフィリングはどうすれば良いのでしょうか?

 

当院では感染の有無を確認後、アクアフィリングを除去し、同時にシリコンバッグの挿入をオススメしています。

 

理由です。まずはアクアフィリングを除去して、数ヶ月後にシリコンバックを挿入する施設もありますが、先ほどお伝えしたようにアクアフィリングはすべて完全に除去することができないため、2回に手術を分けても結局、アクアフィリングの中にシリコンバックを挿入することになり、初回に同時にシリコンバックを挿入することと条件が同じになるからです。また、同じ部位で手術の回数を重ねるほど感染のリスクが上がるというデータもあります。

 

アクアフィリング豊胸をすでに行なっていて不安な方や、トラブルが起きている方は、是非一度当院へご相談ください。
またInstagramでは沢山の豊胸術の症例もご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

https://www.instagram.com/dr.m.cosmetic_surgery_artmake/profilecard/?igsh=YjhlMDJzOTVxZDll

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